流血のバレンタインデー

バレンタイン

私の周りにはモテない男が多い。
私がモテないのだから、同じような人間が集まるのは当然といえば当然である。
スタンド使いは引かれ合う、と同じ理屈だ。

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なぜ、毎年血が流れるんだ!

さて、ある年のバレンタイン直前になって、友人の1人が変なことを言いだした。

俺、チョコ食わないと死んでしまうんだ

バカなっ!そんな病気あるはずない。
ただ単にバレンタインにチョコが貰いたいだけだろう。
人の情けにつけ込んでまでチョコを貰おうとするなど、なんと卑劣な男だ。

私はその友人を軽蔑した。
しかし、である。
もしも、万が一本当だったら・・・。
不安になった私はバレンタイン当日、彼を観察してみることにした。

案の定、友人は誰からもチョコを貰うことができなかった。
私は虚ろな表情の友人と帰宅の途中にいた。

「モテない上にあんな嘘言いふらすからだぞ」

私は冗談交じりにそう言ったが、彼は乾いた笑いを返すだけだった。

「スマン、ちょっと待ってて」

友人の家の近所まできたところで、突然彼は立ち止まり、ある建物の中に入っていった。
そこはコンビニだった。

数分後、コンビニから出てきた友人は、おもむろにビニール袋からチョコバーを取り出し、貪るようにかじりだした。
私の中で彼の台詞が蘇る。

俺、チョコ食わないと死んでしまうんだ

まさか、あれは本当だったのか・・・。
チョコがもらえなかったから命を守るために自分で・・・。
もし彼が金欠で自分でチョコを買う金がなかったら・・・。

チョコがもらえないばかりに死んでしまう男性はこの世に存在したのである。

 悲劇は繰り返されるのか?

そんな友人だが、数年前に無事結婚し、今ではチョコ不足で死んでしまう危険は回避されている。
本当に良かった。

しかし・・・。
ここに来て新たな事実が浮かび上がってきたのである。

チョコ不足で死んでしまうのは友人だけではなかったのだ。
いつの間にか私もその病気に感染していたらしい
明日、チョコがもらえないときっと死んでしまうだろう。

女性達に世の中にはこういう男もいることを知っておいて欲しいと思い、最後の力を振り絞ってこの記事を書いている。
イケメンなどにチョコを渡している場合ではない。
世の報われない男性に少しの勇気でチョコを渡せば、ヒト1人の命が救えるのだ。

さあ、勇気を出して!
私の元までチョコを届けて欲しい・・・。

※この作品は事実を元にしたフィクションです。