「働いたら負けかなと思ってる」ニートの大半が共感できないであろう迷言

名言・ことわざコラム第17回!

今回は初めての一般人の名言(迷言?)「働いたら負けかなと思ってる」という言葉について考えてみる。

「ニート」の代名詞として有名な言葉だが…。

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「働いたら負けかなと思ってる」の由来

ネットでは超有名な言葉だが、実はもともとは2004年9月に放送されたフジテレビ「とくダネ!」でのニート特集で、とある1人のニートへのインタビューでの発言がきっかけの言葉。

放送後、ネットでは大反響となり、2ちゃんねるでは色んなスレでAAが貼られることになった。

この言葉はニートを言い表す言葉として定着し、2015年gooランキングの「「ある意味カッコいい!」と思うニートの名言ランキング」では堂々の1位に輝いている。

10年以上生き残る、強烈なインパクトを持った言葉なのだ。

本当にニートを言い当てている言葉なのか?

「働いたら負けだと思ってる」という言葉はニートを表す言葉として今も定着しているが、実際に「働いたら負け」と思っているニートって多いのだろうか?

私の経験や他のニートと会った感じでは、絶対に働きたくないって人はそんなにいないように思うが…。

総務省の平成24年の「就業構造基本調査」では無業者がなぜ仕事に就かないのか(探さないのか)の理由を調査している。

出典:総務省「平成24年就業構造基本調査」より

上のグラフは就業希望しているけど求職活動をしていない人、下のグラフは就業希望していない人の理由である。

どちらも圧倒的に多いのが「病気・怪我のため」

この理由で求職活動をしていない無業者全体の25%超えで、「勉強のため」「出産のため」「介護のため」といった明確な理由や、「仕事を探しても見つからない」「仕事に自信がない」など仕事をしたい意志を感じる回答を合わせると、軽く過半数を超える。

つまり、この時点で「働いたら負けだから」という理由でニートをしている人は少数派ということだ。

では「負けだから」に近い理由でニートになっている人は果たしてどれくらいいるのだろうか?

上のアンケートで怪しいのは圧倒的に多い「その他」の中身と、上のグラフの「急いで仕事につく必要がない」という部分。

もし仮にこれが全て「負けだから」という理由であれば、ニートの3割に当てはまるのでバカにできなくなる。

だが、その他の中身は調査でも細かく触れられていないので、詳細な理由は本人のみしか分からない。

ただ、ニートをしている半分以上の人は「働いたら負け」とは思っていないことは分かってもらえたと思う。

彼は何と戦っていたのか?

そもそもこの言葉はちょっと良く分からない部分がある。

「働いたら負けだと思ってる」の「負け」とは一体何を指しているのだろうか?

負けということは、誰か相手がいるということである。

相手は「働いている人」なのか「別のニート」なのか、はたまた「国や企業」「社会」といった大きいものなのか…。

働いている人が相手の場合

「働いたら負け」ということを働いている人に向けて言うということは、要するに働いている人を見下している言葉である。

ニートとは一般的に働いている人から見下されるもの。

この発言をした人がどうかは知らないが、「働けよ」「ニートは甘え」という言葉をかけられるのは日常茶飯事である。

もしそんな「労働者>ニート」の概念を覆す意味で

「お前らいつも見下してるけど、俺もお前らのこと見下してっから!」

みたいな意味で使われていたとすれば、それはそれでかっこいい言葉…なのかもしれない。

別のニートが相手の場合

ニートを続けるというのは、金銭的に苦しくなるもの。

これは誰にでも分かる。

もし、この言葉が別のニートを相手に戦っている言葉だとすれば、それすなわち「我慢比べ」である。

「お前と俺、どっちが長くニートであり続けられるか…勝負だ!」

みたいな意味は…まぁないか…。

社会や国、企業が相手の場合

2004年当時はまだ就職氷河期の最後の方で、就職活動はそれなりに厳しく、新卒を逃すと絶望的という状況だった(私が新卒を逃して初めてニートになったのはちょうどこの年)。

そんな社会情勢や、それを解決できない国、求人を絞りまくる企業に対しての言葉だとしたらどうだろうか?

つまり、働いたら負け=ストライキ宣言である。

「国や企業が態度を改めないなら、こっちから働くのを放棄してやるぜ!」

確かに日本国民全員がこれに賛同して働かなくなったら、国や企業はめちゃくちゃ困る。

だが現実にはこの発言は嘲笑の的であり、世間知らずの発言みたいに見做されることが多かったような気がする…。

結局何が言いたいのかわからんまま締めとなるが、この発言がニートのイメージに与えた影響は大きい。

ただ、ニートになった理由を見ても分かる通り、実際にはニートになる理由・背景は本当に様々であり、「働いたら負けなニートでしょ?」と一括りにして欲しくない人はいると思う。

ニートに限らず、ステレオタイプで人を判断するのはやめましょう!